尺八はやったことがないので、、、

どんな技術や練習が必要なのかとか、
どういった心構えで演奏すべきかとかは
私にはよく分からない。
同様に、
社会人をやったことのない学生に向かって、
社会人としての心構えを教えてみたり、
どのような能力が必要かとかいったところで、
彼らにとってはチンプンカンプンなのだ。
将来的に尺八を吹く必要がなければ、
分かろうとしなくても結構だし、
同様に社会人になる必要もなければ、
心構えや能力について分からなくても問題ない。
しかし、彼らはいずれ社会人として生きていかなければならず、
社会人としての心構えや能力は早くから磨いておいて損はない。
そういった考えで学生のうちから、
英語や中国語、資格の勉強、
あるいは就職活動に向けた準備をすることは大変よいことであると思う。


しかしそのために、研究室の自分の机の本棚に、
そのような参考書がズラリと並ぶのはいかがなものか?
研究室に入りたての4回生ならともかく、
修士や博士課程に進学したにもかかわらず、
研究に関わる教科書や参考書、論文のファイルより
語学や就活の参考書が多いのは甚だ情けない。
何のための進学なのか?
就職までの猶予期間なのか?
授業料を始め、日常生活を含め年間200万円近くの出費をしてまで
その猶予期間は必要なのか?


多くの学生は研究をしたい、という目的で進学してきたことだろう。
結構なことである。
研究したらよいと思う。
しかし、週に2,3回の実験と、
半期に1回の論文読解だけで、研究をしたといえるのか?
先生や先輩から教えてもらった方法で結果を出して、
研究成果を挙げたといえるのか?
小学校や中学校の理科の実験となんら変わりない。
尺八の練習でもしたほうが
よっぽどうまくなっている。