スーパー戦国時代

どこかのゲームソフトのタイトルのようだがそうではない。
うちの近所にスーパーが乱立し、
まさに戦国時代のように各店舗がしのぎを削っている。
二年前、この地区はダイエーが覇権を握っていた。
OASISやKOHYOといった高級スーパー勢力もあったが
ダイエーの覇権を揺るがすものではなかった。
KOHYOは駅前という好立地条件を生かして、
通勤客をうまく確保していた。
うちもよく利用した。
手軽に利用したいときはKOHYOを、
がっつり買い込むときはダイエーを、と
それなりの住みわけができており、天下泰平と思われた。


ところが一年前にダイエーが突然の閉店で
長く続いたダイエー政権が崩壊した。
今思えば、おしゃれなベイエリア
葱や白菜を抱えて歩くのも変な感じではあった。
つぶれるのは目に見えていたのかもしれない。
この閉店を機に、世は一気に乱世へ突入する。


まず動いたのはブルジョアスーパーOASIS
それまで1/4だったフロアを二倍に拡げ
生鮮食品から肉、魚、お惣菜と売場を拡大した。
さらにポイントカードなどで集客を図った。
新装開店当時の賑わいは記憶に新しい。
しかし、所詮百貨店のスーパー。
急造の店内は売場の並びも悪く、レジも少ない。
おまけに袋詰めするエリアも狭く、使い勝手はよくなかった。


一方、もう一つのブルジョアスーパーKOHYOは
営業時間を前後に30分ずつ延長しさらなる集客を図った。
さらに「大創業祭」を毎週のように行い、
徹底した安売りでOASISに対抗した。
確かにKOHYOの卵の安さは尋常でない。
供給が落ち着いていることもあるだろうが
Mサイズ1パック58円は安すぎる。
利便性に加え、経済的な戦略もあって
KOHYOが次の覇権を握るかに思えた。


…続く