スーパー戦国時代2

ブルジョアスーパーKOHYOが天下統一を
成し遂げたかに思えたこの夏、
大阪の大手スーパーIzumiyaが現れた。
神戸空港の開港と同時に拡がったポートアイランド
駐車場1200台完備の大型店をオープンさせる。
駐車場完備ということから、
島を拠点に車で30分程度の客も一網打尽を狙った。
もちろんKOHYOの守備範囲も射程距離である。
Izumiyaがコンビニや小さなマーケット程度しかなかった
ポートアイランドをあっという間に平定した、と思えた。


ほぼ同時期、Izumiyaに隣接するエリアに、
ホームセンター「ムサシ」がオープンする。
こちらも大駐車場完備の大型店である。
ホームセンターだけならIZUMIYAの優位は変わらなかったが、
「FoodDepo」なる食料品店を併設しており、
これがまた安い。
ムサシに日用品を買いに来た客は
ついでに食料品も買い込む。
その心理をついた見事な戦略。
ポートアイランドは今2強時代に突入した。


ますます混迷を極めるスーパー覇権争い。
そこに更なる大型店がオープンする。
「ライフ」
駅から徒歩5分の立地に、
駐車場も抱えた店舗が、1ヶ月前にオープンした。
この辺りになかった薬局(チェーン店系)とうどん屋(家族亭)が入り、
ここ1ヶ月は大安売り状態。
「Izumiya」「FoodDepo」「ライフ」、三国時代の始まりである。
ブルジョアスーパーKOHYOは
閉店間際の半額お惣菜を狙った通勤客が賑わう店へと戻った。


三国時代の激しいつばぜり合いの中、
Izumiyaが動いた。
ダイエーが長く政権を握っていた拠点に
大型店をオープンさせる。
もう一つのブルジョアスーパーOASISの目の前にである。
もともと駐車場は完備されていたことから集客力がある。
車をもたない客層も狙うつもりである。
いよいよIzumiyaが天下を治めるか。
今後この地区から目が離せない。


〜エピローグ〜
決して天下は統一されることはない。
賢い消費者は安い店を選ぶ。
牛乳はココ、卵はあそこ、と。
一見優位に見えるIzumiyaもまた安泰ではない。

いくらオシャレなモデルにニンジンを持たせたところで、
オシャレな街にスーパーの袋は似合わない。
大型店舗を2つ抱えたこれからの経営手腕が問われる。