恥ずかしながら、この歳になって読書の楽しさが分かってきた気がする。
ブロク休止中に読んだ本の中で、印象的な(記憶に残っている)ものをあげておこう。

迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか

迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか

最近の興味は生態・進化。
で、タイトルに惹かれ読んでみたところ、
かなり面白かった。というより、大変興味深い。
なぜ病気になるのか?特に遺伝病について理由づけられている。
適応進化的には遺伝病の類は生存上不利であるため、
淘汰されてしまうにもかかわらず、
なぜ、多くの遺伝病が今もなお存在するのか。
病気と引き換えに得た利点とは何か?
などなど、なるほどと思わせる一冊。


したたかな生命

したたかな生命

上記の迷惑な進化を読むきっかけとなった本。
ロバストネスという言葉を初めて知った本でもある。
ロバストネスとは、簡単に言うとしなやかさ、柔軟さといったところ。
台風で強い風に遭っているヤシの木を想像しよう。
大風にあおられて、今にも折れそうにしなっている。
しかし、折れない。
しなることで上手に風をいなしている。
これがロバストネス。
もし、ヤシの木がしなることのできない強固な構造だったら、
あっという間に折れてしまうだろう。
生命には様々な状況に柔軟に対応する能力があり、
その結果、多種多様な生態系が作られている。
私を新たな境地に誘った貴重な一冊。


病原体進化論―人間はコントロールできるか

病原体進化論―人間はコントロールできるか

上記2冊の影響を受けて読んだ本。
寄生者と宿主は長い年月をかければ互いに穏やかな関係が築かれる。
共利生存の関係になるはずなのに、
エボラ熱や、コレラマラリヤなど
世の中には非常に凶暴な寄生者が存在する。
宿主を破壊するほどの病状は寄生者にとっても不利になるにもかかわらず。
なぜか?
さらに、さまざまな病状は防御反応かそれとも寄生者による操りか?
いかに病原体をコントロールするかという問いに答える一冊。
病原体の生存をかけた様々な戦略が垣間見れる。
文章が専門的で非常に読みにくいため、
あとがきから読むことをお勧めする。


破裂

破裂

上記3冊とはまったく関係のない本。
医療ミステリー。
高齢者医療問題に焦点を当てた作品。
いろいろ晩強になります。


ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)

ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)

タイトルに惹かれ買ったもの。
夢のテーマパークの、嘘か真ともとれる裏側を舞台にした作品。
ちょっと見る目が変わります。
最後の方は、おいおい踊る大捜査線だよ、と突っ込みたくなる。
はい。
あなたはパーマネントでわたしはポスドク
おあとがよろしいようで。