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恥ずかしながら、この歳になって読書の楽しさが分かってきた気がする。
ブロク休止中に読んだ本の中で、印象的な(記憶に残っている)ものをあげておこう。
- 作者: シャロンモアレム,ジョナサンプリンス,Sharon Moalem,Jonathan Prince,矢野真千子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/08/25
- メディア: 単行本
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で、タイトルに惹かれ読んでみたところ、
かなり面白かった。というより、大変興味深い。
なぜ病気になるのか?特に遺伝病について理由づけられている。
適応進化的には遺伝病の類は生存上不利であるため、
淘汰されてしまうにもかかわらず、
なぜ、多くの遺伝病が今もなお存在するのか。
病気と引き換えに得た利点とは何か?
などなど、なるほどと思わせる一冊。
- 作者: 北野宏明,竹内薫
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/11/15
- メディア: 単行本
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ロバストネスという言葉を初めて知った本でもある。
ロバストネスとは、簡単に言うとしなやかさ、柔軟さといったところ。
台風で強い風に遭っているヤシの木を想像しよう。
大風にあおられて、今にも折れそうにしなっている。
しかし、折れない。
しなることで上手に風をいなしている。
これがロバストネス。
もし、ヤシの木がしなることのできない強固な構造だったら、
あっという間に折れてしまうだろう。
生命には様々な状況に柔軟に対応する能力があり、
その結果、多種多様な生態系が作られている。
私を新たな境地に誘った貴重な一冊。
- 作者: ポール・W.イーワルド,池本孝哉,高井憲治
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2002/11/20
- メディア: 単行本
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寄生者と宿主は長い年月をかければ互いに穏やかな関係が築かれる。
共利生存の関係になるはずなのに、
エボラ熱や、コレラ、マラリヤなど
世の中には非常に凶暴な寄生者が存在する。
宿主を破壊するほどの病状は寄生者にとっても不利になるにもかかわらず。
なぜか?
さらに、さまざまな病状は防御反応かそれとも寄生者による操りか?
いかに病原体をコントロールするかという問いに答える一冊。
病原体の生存をかけた様々な戦略が垣間見れる。
文章が専門的で非常に読みにくいため、
あとがきから読むことをお勧めする。
- 作者: 久坂部羊
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/11
- メディア: 単行本
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医療ミステリー。
高齢者医療問題に焦点を当てた作品。
いろいろ晩強になります。
- 作者: 松岡圭祐
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/08/28
- メディア: 文庫
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夢のテーマパークの、嘘か真ともとれる裏側を舞台にした作品。
ちょっと見る目が変わります。
最後の方は、おいおい踊る大捜査線だよ、と突っ込みたくなる。
はい。
あなたはパーマネントでわたしはポスドク。
おあとがよろしいようで。
生命倫理コミュニケーション講義
生命科学研究科の授業にはそのような授業がある。
研究者としてのコミュニケーションについて学ぶ授業で、
自分の研究を小中学生向けに話したり、
実際に病院で遺伝子治療の方針説明会に参加したりする。
その授業の1コマで、
NHK環境科学部専任ディレクター村松秀氏のセミナーがあった。
授業自体はとってないが、参加自由ということだったので聞いてきた。
村松氏はNHKドキュメンタリーで論文捏造に関する番組を作成した人で、
『論文捏造』の著者でもある。
内容は著書の『論文捏造』に沿ったものだったが、
後半は報道の立場から見た研究者という話だった。
報道関係者と研究者という違いはあるが、
実験(取材)に基づく論文発表(報道)という点でよく似ていると思った。
そして、論文捏造も『あるある』の捏造も構造的によく似ている。
ポスドク問題があるようにフリーランスのカメラマンやディレクター問題もある。
どちらも焦りやプレッシャーから捏造する。
研究をとりまく環境の変化も指摘していた。
原理や真理を追究する研究から、技術につながる研究へ変わった。
そしてそこには、国家的戦略の資金が供給されプレッシャーも大きくなった。
しかし、研究者は何も変わらない。
その歪みが捏造を引き起こす。
最後に、真摯な態度で研究をしてほしい、と。
そして社会へ『伝える』ではなく『伝わる』コミュニケーションを、と。
ゼミや学会発表も聞き手を意識した発表が大事なわけで、
わかりやすく説明するためには、複雑なことをより単純化する必要がある。
どっかのキャリア・パスセミナーでも同じようなことを聞いた。
さすが、全国民を相手に報道しているだけのことはある。